2005年 12月 13日
藤沢武男とアーウイン・ジェイコブズ |
ベテランの起業家支援者達の集まりパイオニア・ベンチャーグループ(PVG)が若手起業家集団「新生ベンチャーズグループ」と合同で忘年会を開く。
日時: 2004年12月20日(火)午後6時半より(受付開始:午後6時)
会場: 新日本監査法人 8階第1会議室
(千代田区内幸町2-2-3、日比谷国際ビル)(TEL:03-3503-1100)
会費:5,000円(飲食代含む)
申込は【12月16日(金)迄】に下記へどうぞ。
http://www.venture-web.or.jp/pvg/forum.html
私もPVGと新生ベンチャーズグループの前で話したことがあるが、「新産業を創ろう!」と若者に呼びかけて、自作ロボット、教育用ゲーム、データベースなどの若い起業家たちを応援している。彼らは大なり小なりオタクだから、付き合っていると腹が立つことも多い。
しかし、考えて見れば本田宗一郎も井深大も大変なオタクだったはずで、彼らだけではホンダもソニーも零細企業のままで終わっただろう。しかし、彼らの驚嘆すべき技術への執念、新しいモノを生み出したいという意欲に賛同して、経営能力のある藤沢武男や盛田昭夫が参加したから、あの巨大企業になったのだ。
1990年代半ばにサン・ディエゴに住むようになって、クアルコム社創業者アーウイン・ジェイコブズ博士に興味を持つようになった。同社とソニーのJVで働いていた知人が「アーウインは超人なんですよ」と言っていたが、彼は自分自身が無線の専門家として世界的な業績を持っている*だけでなく、長期的な世界戦略を立てる能力も卓越している。この数十年間の移動体通信産業の推移を見ていると、結局、ジェイコブズ博士が考え、布石を敷いていたとおりになっている。
*Eアクセスの千本社長が米国留学時代にジェイコブズ博士の書いた教科書で勉強したそうだ。
米国は現代のローマ帝国だから、様々な分野で世界戦略を考え実行できる人材が活躍できる環境にあるが、日本の場合は環境が米国よりも整備されていないから、相当な努力をしないと世界戦略を考える人材が活躍できない。
そこで重要になるのがオタクの存在である。米国人や中国人を見ていると、本田宗一郎や井深大よりも、藤沢武男や盛田昭夫のような人々が高く評価される傾向が強い。技術者に対する尊敬の念が欠けているから、素晴らしい技術が生まれても、それをさらに磨き上げていくことよりも、短期的な利益を重視する。
オタクは本来のビジネスの目的である利益を上げることよりも、素晴らしい製品を作ることに夢中になる傾向があるが、それでこそ技術が伸びるのだ。彼らを気持ちよく働かせながら、ビジネスとしても利益を上げる経営手腕を持った人々の育成が極めて重要だと思う。
日本はオタクを尊敬する土壌があるから、マイクロ藤沢武男を育成できれば、何時かミニ・アーウイン・ジェイコブズも育成できるかも知れない。
日時: 2004年12月20日(火)午後6時半より(受付開始:午後6時)
会場: 新日本監査法人 8階第1会議室
(千代田区内幸町2-2-3、日比谷国際ビル)(TEL:03-3503-1100)
会費:5,000円(飲食代含む)
申込は【12月16日(金)迄】に下記へどうぞ。
http://www.venture-web.or.jp/pvg/forum.html
私もPVGと新生ベンチャーズグループの前で話したことがあるが、「新産業を創ろう!」と若者に呼びかけて、自作ロボット、教育用ゲーム、データベースなどの若い起業家たちを応援している。彼らは大なり小なりオタクだから、付き合っていると腹が立つことも多い。
しかし、考えて見れば本田宗一郎も井深大も大変なオタクだったはずで、彼らだけではホンダもソニーも零細企業のままで終わっただろう。しかし、彼らの驚嘆すべき技術への執念、新しいモノを生み出したいという意欲に賛同して、経営能力のある藤沢武男や盛田昭夫が参加したから、あの巨大企業になったのだ。
1990年代半ばにサン・ディエゴに住むようになって、クアルコム社創業者アーウイン・ジェイコブズ博士に興味を持つようになった。同社とソニーのJVで働いていた知人が「アーウインは超人なんですよ」と言っていたが、彼は自分自身が無線の専門家として世界的な業績を持っている*だけでなく、長期的な世界戦略を立てる能力も卓越している。この数十年間の移動体通信産業の推移を見ていると、結局、ジェイコブズ博士が考え、布石を敷いていたとおりになっている。
*Eアクセスの千本社長が米国留学時代にジェイコブズ博士の書いた教科書で勉強したそうだ。
米国は現代のローマ帝国だから、様々な分野で世界戦略を考え実行できる人材が活躍できる環境にあるが、日本の場合は環境が米国よりも整備されていないから、相当な努力をしないと世界戦略を考える人材が活躍できない。
そこで重要になるのがオタクの存在である。米国人や中国人を見ていると、本田宗一郎や井深大よりも、藤沢武男や盛田昭夫のような人々が高く評価される傾向が強い。技術者に対する尊敬の念が欠けているから、素晴らしい技術が生まれても、それをさらに磨き上げていくことよりも、短期的な利益を重視する。
オタクは本来のビジネスの目的である利益を上げることよりも、素晴らしい製品を作ることに夢中になる傾向があるが、それでこそ技術が伸びるのだ。彼らを気持ちよく働かせながら、ビジネスとしても利益を上げる経営手腕を持った人々の育成が極めて重要だと思う。
日本はオタクを尊敬する土壌があるから、マイクロ藤沢武男を育成できれば、何時かミニ・アーウイン・ジェイコブズも育成できるかも知れない。
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by entrepartners
| 2005-12-13 10:10
| 起業家支援者たち